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概要:ベネズエラ産原油の米国への輸入を実質的に禁止した米国の制裁は、遠く離れた中国国内で原油価格を押し上げている。
ベネズエラ産原油の米国への輸入を実質的に禁止した米国の制裁は、遠く離れた中国国内で原油価格を押し上げている。
ブルームバーグが閲覧した提示文書によると、中国国有のペトロチャイナ(中国石油)はベネズエラのメレ-原油をウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物価格にバレル当たり約5ドル上乗せして民間の製油会社などに販売している。このメレ-原油はトランプ米政権がベネズエラの独裁者マドゥロ大統領の追放を図り、先月後半に同国に制裁を発動する前は、中国国内で割引価格で販売されていた。
米国の制裁措置は、ベネズエラが同国産の重質・高硫黄原油の輸出を維持できるかどうかを巡り臆測を招いている。一方、米国の製油会社は代替物を探しており、世界中の似たような油種の供給逼迫(ひっぱく)招いている。中国ではインフラ需要の急拡大に伴い、アスファルトの製造に適した重質・高硫黄原油の価値が高い。
ブルームバーグが集計したタンカー運航データによると、中国は今年1月、ベネズエラ産原油輸入を前月比でおよそ倍増させた。このため中国の国有石油会社は、世界市場での重質・高硫黄原油を巡る不透明さのため、販売に当たって値上がりの恩恵を受けている。同データによれば、ベネズエラから中国への昨年の出荷の80%がメレ-原油だった。
ペトロチャイナは、比較的小規模な民間製油会社を中心とする顧客へのメレ-原油販売について、月ごとの提示価格を独自の手法で設定している。ブルームバーグが閲覧した提示文書によれば、2月はWTI先物価格に対し、バレル当たり5.0272ドルと手数料2.70ドルを上乗せして販売している。トレーダー3人によると、1月の上乗せ価格はバレル当たり3ドルだった。
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