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概要:仕事が減り始めたことがきっかけだった。シンガポールで20年余りにわたり資本市場の法律専門家として30社以上の上場に携わってきたロブソン・リー氏は決断した。自分の仕事を辞め、米法律事務所ギブソン・ダン&クラッチャーがシンガポールに置くオフィスのパートナーになったのだ。
仕事が減り始めたことがきっかけだった。シンガポールで20年余りにわたり資本市場の法律専門家として30社以上の上場に携わってきたロブソン・リー氏は決断した。自分の仕事を辞め、米法律事務所ギブソン・ダン&クラッチャーがシンガポールに置くオフィスのパートナーになったのだ。
SGXに上場している企業数は10年時点の782社がピークだった。昨年末には741社に減少。18年のSGXでの新規株式公開(IPO、預託証券除く)は15件で、IPO総額は7億1060万シンガポール・ドル(約579億円)に減った。上場廃止は19社で、192億シンガポール・ドルの市場価値純減となった。
ここ数年で上場廃止となった企業の多くは、物流施設保有で世界最大級のGLPやマッサージチェア製造でアジア最大手のオシム・インターナショナルなどシンガポールではよく知られた会社だ。
SGXの株式・債券事業責任者チュー・スタット氏は、上場廃止は世界的なトレンドで、弱い企業の退出は健全な機能だと指摘し、SGXは上場企業数を維持するために「ゾンビ企業」の上場廃止を止めるようなことはしないと話す。
だがSGXのデータによれば、昨年末時点でシンガポールを主要な上場先とする企業の時価総額は14年末から975億シンガポール・ドル(14%)減少。1営業日当たりの平均売買高は07年から半減している。CGS・CIMBセキュリティーズ・インターナショナル(シンガポール)のアナリスト、ヌゴー・イ・シン氏は「心配される傾向」だと言う。
さらに懸念すべきはシンガポールが育んだ企業も逃げ出していることだ。シンガポール生まれの陳民亮最高経営責任者(CEO)が率いるレーザーは、政府系ファンドGICが支援してきたゲーム関連企業で、消費者テクノロジー業界でのシンガポールにおける最近の成功例の1つだ。だがレーザーが17年11月に上場したのは香港だった。中国本土に近いことや香港を通じた本土株売買もしくはその逆も可能な「ストックコネクト」が香港に明らかに有利に働いている。
香港を通じ上海と深圳の市場は、海外投資家のアクセスが極めて容易になった。アバディーン・スタンダード・インベストメンツ(シンガポール)のアジア株式ファンドマネジャー、ジェームズ・トム氏は、同社がここ3年間にシンガポール保有株を売却し、その資金を中国人民元建てA株購入に充てていることを明らかにした。
シンガポールと香港は常にアジア金融の中心地としての地位を競い合ってきたが、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の資本市場責任者でシンガポール在勤のタム・トゥック・セン氏は、今や香港市場の方がずっと大きく、活気があり、勝負にならないと語る。
SGXも低迷に歯止めをかけようと手を打っている。18年には一部の企業オーナーに有利な議決権を提供する二重クラス構造の株式を認めた。米ナスダックやイスラエルのテレアビブ証券取引所との共同上場パートナーシップも結んだ。中小型株を巡る調査も強化し、シンガポール政府は企業への上場支援で7500万シンガポール・ドルを供与する。だがそれでも凋落(ちょうらく)は続く。
SGXは最終的に「極めてニッチな市場」になると予想するメイバンク・キムエン・リサーチのシニアエコノミスト、チュア・ハク・ビン氏(シンガポール在勤)は、それで十分ではないかと言う。確立された不動産投資信託市場や医療サービス企業のバリュエーションの高さ、良好な消費者銘柄上場実績といったSGXの強みを生かしていけばいいとの認識だ。
SGXのチュー氏が強調するのは、IPOを超えて企業の資金調達支援でSGXは成功しており、地域における拡大や国際的な投資家からの資金集めをにらむ企業が引き続きシンガポール市場を選んでいると説明。SGX上場企業の約半数が外国企業であり、機関投資家はシンガポール市場を信頼していると話している。
(原文は「ブルームバーグ・マーケッツ」誌に掲載)
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