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概要:今、大手から独立系まで多くの書店が「韓国文学」フェアを開催するほど、韓国文学に注目が集まっている。人気のキーワードは女性とBTSだ。
『82年生まれ、キム・ジヨン』『ヒョンナムオッパへー韓国フェミニズム小説集』著者のチョ・ナムジュさん。
撮影:今村拓馬
『82年生まれ〜』では女性差別に焦点を当てるため、恋愛のエピソードを削ぎ落としたと話していたチョさん。
今回、真正面から男女の恋愛を描いたのは、放送作家時代から抱え続けていたある問題意識からだ。
「DVに関する番組を制作したのですが、社会的地位も経済力もあるのに、なぜか夫の暴力から逃れられず被害を受けている女性たちがたくさんいました。彼女たちの共通点は自己評価が低いことです。
権力関係を利用して相手の自己認識を歪ませ、自分に依存させるような手法を『ガスライティング』と言います。夫婦や親子、上司と部下の間でもよく起こることです。本人も無自覚なまま他者の思惑によって自己評価を下げ続ける、という現象について書いてみたいとずっと思っていました」(チョさん)
「ガスライティング」は心理学などで使われる用語で、1940年代にアメリカやイギリスで製作された『ガス燈』という映画からきている。夫に物忘れや盗み癖を指摘された妻は自信を失い追い込まれていくが、実はそれは夫の策略で……というサスペンスだ。
チョさんは、男女の恋愛つまり1対1の関係におけるガスライティングを書いたつもりが、執筆後に感じたのは、主人公の恋人は「社会の雰囲気やいまだ根強い家父長制の象徴なのではないか」ということだったそうだ。
混迷を極める政治状況を尻目に、文化の交流は深まっている。
GettyImages/RUNSTUDIO
なぜいま、日本に住む私たちが韓国文学を求めるのか。
日常に潜む女性差別と戦うための会話マニュアル『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』、翻訳者の1人であるすんみさんは、韓国文学に通底する「言葉によって何かを変える」という意識について、こう述べている。
「韓国は、日帝時代、朝鮮戦争、軍事独裁政権時代、高度経済成長など激動の時代を過ごしてきました。そういう歴史の中で、韓国文学は“参与文学”という、文学者が作品を通じて社会にコミットする文学がずっとありました。(中略)文学によって人々の意識が変わったり、社会が動く経験を何度もしていて、その経験を人々が内面化したことが大きいんですよね。ですので、現代の作家たちも文学が社会を良くする力を秘めているという認識を持っていると思います」(NeoL Magazine韓国現代文学特集より)
共に似た社会問題や個人の葛藤を抱える韓国と日本。今を変えようと声を上げる韓国文学に背中を押され、日本の女性たちが自らを語り始める日は、そう遠くないだろう。
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(文・竹下郁子)
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