米株は小幅高、米の対ＥＵ関税圧力が冷や水

［ニューヨーク ２日 ロイター］ - 米国株式市場は小幅高で終了した。米中の通商協議再開を巡る歓迎ムードが薄れる中、株価は取引時間の大部分にわたりほぼ横ばいで推移。米通商代表部（ＵＳＴＲ）が１日、欧州連合（ＥＵ）に対する追加関税の対象規模拡大を検討していると発表したことが冷や水となったものの、プラス圏で引けた。

米通商代表部（ＵＳＴＲ）は１日、欧州連合（ＥＵ）による欧州の航空機大手エアバス(AIR.PA)への補助金を巡り報復関税を課す可能性のある４０億ドル相当の追加品目リストを公表。ＵＳＴＲは４月、関税の対象となり得る２１０億ドル相当の品目を公表していたが、今回さらに４０億ドル分を加えた。オリーブやイタリア産チーズ、スコッチウイスキーなどさまざまな食品や酒類が盛り込まれた。

Ｓ＆Ｐ総合５００種は米中貿易戦争が収束に向かうとの期待から６月は約７％上昇。

ただ、米国だけでなく世界的に経済指標が軟調となる兆しが出る中、市場の関心は各国中銀の金融政策、および企業決算に再びシフトする。

ナショナル・セキュリティーズ（ニューヨーク）の首席市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「通商合意、連邦準備理事会（ＦＲＢ）の決定、企業決算など、今後少なくとも２週間は様子を見る必要がある」とし、「こうした中、株価が当面横ばいで推移したとしても驚くべきことではない」と述べた。

原油安を受けエネルギー株が売られ、Ｓ＆Ｐエネルギー株指数.SPNYは１．７４％低下。一方、デフェンシブ銘柄の不動産株と公益株には買いが入り、不動産株指数.SPLRCRは１．８２％、公益株指数.SPLRCUは１．２４％、それぞれ上昇した。

個別銘柄では石油大手のエクソンモービル(XOM.N)とシェブロン(CVX.N)がそれぞれ１％強下落、石油・ガス大手アパッチ(APA.N)は６％を超えて下落した。

人材関連サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング（ＡＤＰ）(ADP.O)は２．６６％安。関係筋の話で、ジェフリーズが同社株式８００万株を割引価格で再度オファーすると伝わったことで売られた。

一方、防衛のＬ３ハリス・テクノロジーズ(LHX.N)は４．２８％高。ジェフリーズが２０１９年下半期の宇宙航空・防衛関連株の選好リストに加えたことで買いが入った。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を１．２４対１の比率で上回った。ナスダックでは１．３０対１で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約６３億６０００万株。直近２０営業日の平均は７０億２０００万株。

終値 前日比 ％ 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株３０種 26786.68 +69.25 +0.26 26719.5 26787. 26632. .DJI

3 56 65

前営業日終値 26717.43

ナスダック総合 8109.09 +17.93 +0.22 8086.65 8109.3 8063.1 .IXIC

7 1

前営業日終値 8091.16

Ｓ＆Ｐ総合５００種 2973.01 +8.68 +0.29 2964.66 2973.2 2955.9 .SPX

1 2

前営業日終値 2964.33

ダウ輸送株２０種 10420.46 -85.47 -0.81 .DJT

ダウ公共株１５種 818.00 +10.23 +1.27 .DJU

フィラデルフィア半導体 1476.83 -20.72 -1.38 .SOX

ＶＩＸ指数 12.91 -1.15 -8.18 .VIX

Ｓ＆Ｐ一般消費財 956.88 +3.04 +0.32 .SPLRCD

Ｓ＆Ｐ素材 369.15 -0.51 -0.14 .SPLRCM

Ｓ＆Ｐ工業 652.38 -0.87 -0.13 .SPLRCI

Ｓ＆Ｐ主要消費財 605.19 +5.09 +0.85 .SPLRCS

Ｓ＆Ｐ金融 463.29 -0.85 -0.18 .SPSY

Ｓ＆Ｐ不動産 231.39 +4.13 +1.82 .SPLRCR

Ｓ＆Ｐエネルギー 463.54 -8.20 -1.74 .SPNY

Ｓ＆Ｐヘルスケア 1083.21 +4.61 +0.43 .SPXHC

Ｓ＆Ｐ通信サービス 167.22 +1.76 +1.06 .SPLRCL

Ｓ＆Ｐ情報技術 1396.41 +4.00 +0.29 .SPLRCT

Ｓ＆Ｐ公益事業 305.84 +3.75 +1.24 .SPLRCU

ＮＹＳＥ出来高 7.79億株 .AD.N

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 21710 - 10 大阪比

シカゴ日経先物9月限 円建て 21695 - 25 大阪比