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概要:欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は17日、価格安定を意図して設計された仮想通貨ステーブルコインが世界的なドルの優位性に挑む可能性があるとの認識を示し、イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁が提唱している中銀のネットワークを通じたデジタル基軸通貨体制を支持した。
欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は17日、価格安定を意図して設計された仮想通貨ステーブルコインが世界的なドルの優位性に挑む可能性があるとの認識を示し、イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁が提唱している中銀のネットワークを通じたデジタル基軸通貨体制を支持した。
ルクセンブルクで開催された国際通貨制度の将来に関する会議で、クーレ理事はグローバル化とオンラインサービスの急激な進化の波が国境を越えたより迅速な決済サービスに対する消費者需要を膨らませたと指摘した。
米フェイスブックが独自のステーブルコインとして導入する計画の「リブラ」などがこうした消費者の決済需要に対応しようしているが、セキュリティー面での懸念が残るとみられる中で中銀が関与する余地がある。
主要7カ国(G7)のステーブルコインに関する作業部会を率いるクーレ理事は、「特定の環境下では、また民間デジタル通貨の発展が許されれば、こうした通貨は米国以外の国が発行する通貨よりもずっと容易かつ迅速に、米ドルの優位性に挑む可能性がある」と分析。「次の自然なステップは世界の中銀が力を合わせ、共通の技術基準をベースに中銀デジタル通貨の実現可能性を共同で研究することだろう」と語った。
イングランド銀のカーニー総裁は先月、米カンザスシティー連銀がワイオミング州ジャクソンホールで主催したシンポジウムで講演し、国際取引でのドル支配を最終的に終わらせるデジタル通貨というアイデアを披露。中国人民元のような別の国の通貨がドルに取って代わるよりはデジタル通貨が好ましいとも話した。
フェイスブックのネットワークのような利便性とスピードが状況を一変させる可能性がある中で、クーレ理事は民間企業が中銀発行通貨ほどの安定性を提供し得るかどうかということが問題であり、世界中の監督当局はその点を調べようとしていると説明した。
同理事のG7作業部会は10月中旬の国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会までにステーブルコインに関する政策提言を行う見込み。「リブラが現行の決済制度を改善させる努力を強化するよう中銀に警鐘を鳴らしたことは間違いない」とクーレ理事は述べた。
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