キャリアコーチに聞いた、理想の仕事を見つけるための近道

ジェス・ガリカは、管理職向けコーチで、リカーム・ユア・キャリアの創業者。

courtesy of Galica

• 働く人々が、ワークライフ・バランスなどの要素を知名度よりも重要視するようになり、｢理想の仕事｣とは何か、考え直すようになっている。

• 自分の｢理想の｣仕事または肩書が、実際どんな意味を持つのか探ってもいる、とあるキャリア・コーチは述べた。

• 今日の環境下で、理想の仕事を見付け、そこに辿り着く方法を紹介する。

ジェス・ガリカ（Jess Galica）は、これまでの経歴で｢金の星｣を集めてきたという。履歴書に並ぶのはベイン（Bain）やアップル（Apple）といった有名企業で、マサチューセッツ工科大学（MIT）で経営学修士（MBA）も取得した。にもかかわらず、彼女は経歴に自信が持てず、これよいのか、と思っていたそうだ。

｢それがある時、『多くの人からすれば上り詰めた状態なのに、それでもまだ自分が納得できないのはなぜだろう？ 』と思うようになった｣という。

ガリカと同じように、働く人々は理想の仕事とは何かを考え直し、知名度よりもワークライフ・バランスや仕事の意味を重要視するようになっている。そこは多くの人にとっては｢夢｣のような場所のはずのツイッター（Twitter）、メタ（Meta）、アマゾン（Amazon）といった有名企業で働く多くの人々が燃え尽きたとか、減給やレイオフが怖いと言っている。今日の環境下でキャリアを前進させる仕事を見つけるために、人々は自分の｢理想の｣仕事または肩書は何か探っているとガリカは述べている。

｢なぜその会社で働くことが夢だったのか、それに興味を持つこと｣だとガリカは述べた。魅力を感じるのは革新的な環境か、道を開く可能性か、それとも給料や利益が高いことかを判断することだという。そして、こうした根本的な要素を考え直すことで、可能性は無限に広がると彼女は付け加えた。

自分自身や他の人々が理想の仕事を考え直すこと、キャリアに意味を見出すことを助けるためにガリカは2020年1月、エグゼクティブ・コーチ事業のリカーム・ユア・キャリア（Reclaim Your Career）を立ち上げた。

以下では、今日の環境下で理想の仕事を見つけ、そこに辿り着くためのガリカからのヒントを紹介する。

もっと知る

誰もが自分の仕事に意味が欲しい…… 専門家が明かす、それだけではわたしたちが満足できない理由

まずは、理想の生活をイメージする

理想の仕事を探すには、意識改革から始めなければならないとガリカは言う。

｢最大の意識改革は、夢の仕事を見つけるのではなく、夢の生活を明確にするために集中すること｣

彼女は、理想的な未来を考えながら｢憧れのライフスタイル｣｢経済的な目標｣｢日々の責任｣という3つのテーマに目を向けることを勧めている。これらはキャリア上の選択肢を絞ってくれるものだ。

例えば、子どもがいる場合にはフレキシブルでハイブリッドなワーク・モデルを優先する必要があるかもしれないとガリカは言う。旅行に出かけられるよう、有給休暇制度を重視する人もいるかもしれない。一度、人生において譲ることのできないポイントを決めて、その条件に合う仕事だけに応募するようにすると良いという。

次に、その仕事をしている人の意見を求める

将来目標とする人生の助けとなるような仕事や会社探しを始めたら、その会社で働いている人、働いたことがある人に話を聞いてみることだとガリカは述べた。そうすることで、社風や仕事の負担への理解を深めることができ、さらにその他の疑問にも答えてもらえるだろう。自分のネットワークや知人から始めれば、採用責任者には聞きづらいことも質問することができる。

例えば、グーグルのプロダクト・マーケティング・マネージャー、ケイトリン・クミ（Caitlyn Kumi）は、コーヒーを飲みながら15分間話をさせて欲しいと頼むと以前Insiderに話している。彼女はリンクトイン（LinkedIn）で人を探し、関係を築くことを重視している。それは必ずしも仕事を紹介してもらうためではない。

その仕事に辿り着くために、うまく伝えよう

理想の仕事の面接の時が来たら、ストーリーテリングがあなたを目立たせるのに役立つだろうとガリカとクミが口を揃える。

候補者の中で優位に立つうまい伝え方があるという。例えば｢柔軟に働きたい｣と言うのと、｢自分の役割に自律性があるとうまくいく｣と言うのでは雲泥の差がある。

｢探しているものを手に入れる方法、ライバルに差を付ける方法は必ずある｣そしてそれが、理想の仕事を掴む鍵だ、とガリカは話している。

もっと知る

自分の仕事を｢意義あるもの｣にするためには…Z世代へのアドバイス