ドイツ、2月23日に総選挙を前倒しへ、極右と極左の躍進

最近、ドイツの政界は内部の対立によって動揺しており、政府は早期選挙の実施を決定せざるを得なくなりました。現地時間の11月12日、ドイツの主要政党は早期選挙実施で合意しました。現政府は12月16日に信任投票を受ける予定であり、選挙は2025年2月に実施される見込みです。この珍しい早期選挙が、ドイツの政局における混乱に終止符を打つことができるか、注目されています。

ドイツ連立政権の崩壊と政治的動向

2021年12月、ドイツでは社会民主党（SPD）、自由民主党（FDP）、緑の党（グリーンズ）からなる連立政権が発足しましたが、内政や外交における意見の相違から対立が深まり、次第に政権内の亀裂が顕在化しました。特に重要な問題について合意に至らず、2024年11月6日、SPDのショルツ首相はFDPのクリスチャン・リンドナー財務相を解任しました。これによりFDPは即座に連立政権から離脱を表明し、3党連立は崩壊しました。SPDと緑の党の議席数は過半数に満たず、ショルツ政権は少数派政権へと転落しました。これを受けて、野党はショルツ首相に早期の信任投票を実施し、2025年9月に予定されていた連邦議会選挙を前倒しするよう求めました。

2024年12月16日、ドイツ連邦議会は特別会議を開き、ショルツ首相の信任投票を実施しました。投票結果、出席議員717人のうち207人が信任、394人が不信任、116人が棄権したため、ショルツ首相は過半数の支持を得られませんでした。この結果、シュタインマイヤー大統領は議会解散と早期選挙の実施を勧告し、2025年9月28日に予定されていた選挙日は、2025年2月23日に前倒しされることとなりました。

実際、3党連立政権の崩壊以来、ドイツではさまざまな政党が選挙戦に参入しており、ドイツテレビが2024年11月に実施した調査では、ドイツ国民の半数以上が早期選挙の実施を支持していることが明らかになっています。

連立政権崩壊の背景と原因

アナリストは、ショルツ政権の現状が、連立政権内での根深い対立が蓄積され、その結果として表面化したものだと指摘しています。2021年の連邦議会選挙以来、ドイツは初めて3党の連立政権を組むことになり、政党数の増加が政党間の調整を一層複雑にしました。その結果、連立政権内の対立は深まり、経済低迷やエネルギー価格の上昇、製造業の衰退、社会保障問題などが重なり、最終的には合意に至ることができませんでした。

特に、2025年度予算案を巡る意見の相違が決定的な原因となりました。FDPは財政均衡を重視し、SPDや緑の党は政府の債務規模拡大を主張しました。予算交渉では両者の対立が解消されることなく、ショルツ首相はウクライナ支援や景気刺激策のために「債務ブレーキ」の緩和を求めましたが、FDPはこれに強硬に反対しました。

ドイツ外交政策協会の季刊誌『国際政治』の編集長、ヘニング・ホフ氏は、ますます激化する党派対立を背景に、FDPが早期選挙を推進する機会を探していると考えています。特に、トランプ元米大統領が再選された後、FDPはドイツによるウクライナへの援助拡大を阻止しようとし、その結果として三党内の長期的対立が激化、政府同盟の崩壊に繋がったとしています。

アナリストの中には、少数党政権を続けることが政治的に困難だと考え、早期の信任投票と選挙実施を再選への鍵とみなす声もあります。実際、3党連立崩壊後、SPDの支持率は若干回復しており、ショルツ首相が早期選挙を戦略的に利用する可能性が高いと予測されています。

次期総選挙の展望

次回総選挙については、ドイツの主要4政党がそれぞれ首相候補を擁立しています。SPDはショルツ首相、CDU（キリスト教民主同盟）はメルツ委員長、緑の党はハーベック副首相、AfD（ドイツのための選択肢）はヴァイデル委員長を候補として擁立しています。

2024年12月10日に発表された最新の世論調査によると、CDUとその姉妹党CSUは31％の支持を得て首位を占め、AfDは18％で2位に位置しています。SPDと緑の党はそれぞれ17％と13％の支持を得ており、ドイツ国民が最も関心を持つ問題は、経済、移民政策、外交・安全保障、環境問題、社会的公平性などです。特に経済問題では、連立政権の優位性が見て取れます。

世論調査の結果によると、ドイツ国民が最も懸念する問題は、経済、移民・亡命政策、外交・安全保障、環境保護・気候問題、社会的公平性、貧困削減などであり、経済問題における同盟党の優位性が際立っています。国民の37％は、同盟党がドイツを経済的困難から救うと信じています。また、移民政策などの分野でも連立政権への信頼が高まっています。一方、AfDは社会正義、難民・移民政策においてより高い信頼を集めており、主に若い有権者から支持されています。

予定通り進めば、2025年2月に総選挙が実施される予定で、これは1972年、1983年、2005年に続く4度目の早期選挙となります。この選挙は、国内外の深刻な課題に直面する中で、ドイツ政治にとって大きな転機を迎えることとなるでしょう。

まとめ

ドイツの政局は、今後ますます不確実性が増すことが予想されます。国内経済の低迷や国際的な地政学的課題が影響を与え、次回総選挙後の政府形成には多くの変動が予想されます。

特に、SPD、CDU、緑の党などが連携する可能性もありますが、現在の政党間の対立がどのように解消されるかは不透明です。

ドイツの政治は、今後数ヶ月でさらなる波乱を迎えることが予想されます。

WikiFXは世界中のFX業者の安全性と信頼性を評価し情報を提供する第三者機関で、FX業者の情報検索、規制機関の検索、金融ライセンスの検索、業者の安全性などを調べることができます。WikiFXを使えば、世界中の６万社以上のFX業者の安全性と信頼性を調べることができます。

→気になるFX会社を今すぐWikiFXで検索してみましょう！

【注意事項】

現在、SNSやマッチングアプリで知り合った人、SNSで誘われたLINEグループでFX投資に誘われる詐欺事件が多発しています。

もしも勧誘されたら、紹介されたFX業者をWikiFXで調べてください。

※設立1～2年のFX業者はデータやユーザーからの情報が少ないため、評価が高くても出金トラブルのリスクがありますので、投資の際はご注意ください。