简体中文
繁體中文
English
Pусский
日本語
ภาษาไทย
Tiếng Việt
Bahasa Indonesia
Español
हिन्दी
Filippiiniläinen
Français
Deutsch
Português
Türkçe
한국어
العربية
概要:中国は世界最大の豚肉生産国で、最大の消費国でもあるだけに、その影響は大きい。
アフリカ豚コレラの影響で、中国では豚肉の生産量が激減している(雲南省の豚肉販売店、2019年5月3日)。
Wong Campion/Reuters
家畜伝染病のアフリカ豚コレラが中国で猛威を振るっている。この伝染病は、豚にとっては致命的だが、人に感染することはない。
アフリカ豚コレラが豚に及ぼす影響は恐ろしいものだ。感染した豚には発熱や下痢、元気消失といった症状が見られる。
中国政府は農家に対し、伝染病の拡大を防ぐため、感染した豚の処分を求めていて、中国の豚肉の生産量が激減している。
オランダの金融機関ラボバンク(Rabobank)は、中国が2019年に入って1億5000万~2億頭の豚 —— 中国の飼育総数の3分の1 —— を殺処分することになるだろうと見ている。
中国は世界最大の豚肉の生産国であり、最大の消費国だ。中国の生産量の大幅な減少と需要の高まりは、世界の豚肉価格を跳ね上がらせるだろうと、専門家は指摘している。
中国は2019年、アフリカ豚コレラの大流行により、国内で飼育されている豚の3分の1を殺処分すると見られていて、世界の豚肉価格を跳ね上がらせそうだ。
農業農村部が2018年8月に遼寧省北部での最初の流行を確認して以来、アフリカ豚コレラは中国本土のほぼ全ての地域に拡大している。
豚にとっては致命的だが、人に感染することはないこの家畜伝染病は、国連食糧農業機関(FAO)によると、モンゴルやベトナム、カンボジアでも確認されている。
感染拡大を防ぐため、中国ではこれまでに約102万頭の豚が処分されたと、農業農村部は4月に報告している。
市場で豚肉を買う女性(北京、2007年8月)。中国は世界最大の豚肉の生産国で、最大の消費国でもある。
Reuters/Claro Cortes IV
オランダのラボバンクは4月、2019年の中国の豚肉の生産量は、アフリカ豚コレラの影響により、25~35%減になるだろうとの見方を示した。これは頭数にして、1億5000万~2億頭だ。
中国は世界最大の豚肉の生産国で、最大の消費国でもある。そして、中国の生産量の30%はヨーロッパの年間供給量に等しいと、ラボバンクは言う。
国内の生産量の減少は、世界の豚肉の需要を押し上げ、供給不足と国際価格の上昇につながるだろう。
中国政府はすでに、生産量の減少に備えて冷凍の豚肉を備蓄していると、ニューヨーク・タイムズは報じている。
ゴールドマン・サックスは4月、アフリカ豚コレラによって中国の供給量が減少すれば、アメリカの豚肉輸入価格が下がる可能性があると指摘している。
症状:発熱、下痢、元気消失、流産
大型スーパーで豚肉を選ぶ客(北京、2015年11月)。
Kim Kyung-Hoon/Reuters
アフリカ豚コレラが豚に及ぼす影響は恐ろしいものだ。
国際獣疫事務局(OIE)によると、感染した動物には、高熱、下痢、元気消失、食欲不振、皮下出血といった症状が出る。妊娠中のメスの場合、流産の可能性もある。
感染から数日で死亡するケースもあり、今のところワクチンや治療法はない。
中国の農業農村部を引用したロイターの報道によると、中国で発生したアフリカ豚コレラの初めのケースの大半は、厨芥(炊事場から出る野菜のくずや食べ物の残り)を与えられた豚だった。
厨芥を豚に与える飼育方法は、専用の飼料を買うよりも安いことから、多くの地方の農家の間で一般的だと、ロイターは報じた。この飼育方法は過去、世界各地で多くの家畜伝染病の流行の原因となっている。2001年にイギリスで流行した口蹄疫もその1つだ。
政府は事態の収束に努めるが……
遼寧省昌図県の村にある養豚場(2019年1月)。
Ryan Woo/Reuters
中国政府は、食肉処理場の検査を強化したり、感染地域の周辺に緩衝地帯を設定したり、生きている豚の移動を制限することで、感染拡大を必死に食い止めようとしていると、FAOは農業農村部を引用、報告している。
政府はまた、感染を報告しなかった農家に対して、何らかの法的罰則を与えると、1月に通知している。
しかし、多くの省で農家や生産者が感染を見落とし、正しい安全対策も取っていないと、タイムズやCNNは報じている。
どちらのメディアも、複数の農家が感染の可能性を当局に報告しなかったと話していると報じ、当局の対応にも時間がかかり過ぎているという。
死亡した豚が川や水路に積まれているとの複数の目撃情報もあると、ニューヨーク・タイムズは報じた。
ラボバンクのアナリスト、クリスティーン・マクラケン(Christine McCracken)氏は「わずか1切れの感染した肉が出回るだけで、全てが再び台無しになる」と、同紙に語っている。
関連記事
中国経済に関する11のショッキングな事実
{37}
(翻訳、編集:山口佳美)
免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。